小学生と保育園生の生活の中で最も違うこと。それは、友だちとのやり取りに大人が介在しなくなること。保育園時代は友達と遊ぶ約束をするのはもちろん、何か問題が起こればちょっとしたことでも大人が対応してくれます。しかし、小学生になったら、基本的に自分で相手(友だち)に伝えなければなりません。先生とのやり取りも大きく変わります。先生はもう未就学児としては見てくれなくなり、(多少のフォローはあるでしょうが)小学生が分かるであろう言葉でコミュニケーションを取ってきます。

 もちろん、授業もそうです。教えてもらうことを予め知っていたり分かっていたりする必要はありません。しかし、小学校の先生に説明をされたら、それが分かるだけの語彙とリスニング能力は必要とされています。

 小学校入学まで半年を切りました。両親に今日の出来事をしっかり話が出来るようになれば、学校の授業を聞くことも出来ます。残り5か月、保育園からの帰り道に「今日はどうだった?」と聞いてあげてください。そして、どんな様子だったのか、具体的にイメージができるまで質問を交えながら丁寧に最後まで話を聞いてあげてください。毎日やっていれば、必ず話せるようになります。そして、可能な限り聞き手になっていただきたいです。聞き手になっているつもりでも、8割以上話をしてしまうと思います。

 会話がしっかりできる事。これが小学校生活を楽しむための一番のポイントです。

 さて、トゥモローにも毎年のように友だちに伝えられない子が入ってきます。話を聞いて私は理解してあげることが出来ますが、友だちには伝わりません。大切なのは私に伝わることではなく、友だちに伝えられることなのです。お迎えに行ったときなどに、毎日「学校どうだった?」と聞き続けています。1学期の間は何も答えられない子でも、半年から1年経つと会話になってきました。とにかく、親が諦めない事です。

そして、今週、自分で伝えるという経験をして、一日中、嬉しそうにしている子がいました。いつも嫌なことを言ってくる子に対して、自分の言葉で「○○って呼ぶのはやめて、××ちゃんって言って」と伝えたら、「分かった」と言ってくれたそうです。私自身が帰国子女で伝えられない(伝わらない)苦しみを知っているだけに、この成功体験を大切にしてもらいたいと強く感じています。