家庭学習でドリルをやらせることは悪いことではないと思っています。その子に向いているもの、その子に必要なものを選べる分、ピッタリはまれば効果はあがると思います。ドリルを使用するときは、出来る限り「はじめに」などに記載されている作成者の意図をしっかりと親子で理解してから始めることをお勧めします。意図を理解しせずにやらせてしまうと、効果は半減してしまうはずです。

 私が個人的に好きなのは『出口先生の頭がよくなるかん字』です。漢字を書かせる回数が少ないので、1年生のを冬休み前後から始めるとちょうどよいと思っています。2年生になってから、1年生のを始めてもよいです。とてもよい復習になります。言葉と文章(短文)をしっかり考えさせる構成になっているのが特に気に入っている理由です。

 久しぶりにこのドリルを使用して、マンツーマンで子供に国語を教えることになりました。いつも通り初回は問題を解かせませんでした。大切なのは早く終わらせることではありません。終わったときに、始める前よりも賢くなることが大切なのです。そして、そのためには作成者の意図を十分に理解する必要があります。繰り返し繰り返し声に出して読み上げさせました。正確に読めなかったら、「はい、もう一度」と言って繰り返し読ませました。正確に読めたら、意味を理解しているか確認です。私の役目は教えることではなく、勉強のお手伝いです。どうしても分からない言葉は教えてあげることもありますが、たいてい前後の文章をしっかり理解できれば分かるものです。

 途中、つらそうな顔をする場面もありましたが、いつもよりもすっきりした顔になって帰っていきました。普段なら「自分に分かるはずがない」と理解をあきらめるような文章を、大人に教えてもらわずに理解することができたのです。嬉しくなるのは当たり前ですね。