子どもたちの能力に大きな差があるとは思っていません。が、出来る(ことが多い)子と出来(ることが少)ない子は確かにいます。世間で「出来る子」と言われているのは、出来ることが多い子のことだと思います。そして、出来ない子は今は「まだ」出来ることが少ないだけ、です。「今」出来る子であるかどうかなんて、大した問題ではありません。長い目で見て大切なのは、出来ることを一つ一つ増やしていき、「本当にやったら出来た!だからもう1回やってみよう!」と思えるようにすることです。

 小学校低学年ですごく出来ても、その後、低空飛行をするのでは困ってしまいます。これは小学生に限りません。中学生でも、高校生でも、大学生でも、社会人でも同じことだと思います。「今」出来ることは素晴らしいことです。が、「今」がピークでは困りますよね。

 どんなに周りの大人が「あなたは(やれば)出来る」と言っても、自分が出来ていないことくらい子供だって分かります。だから、自信がなくしているんですよね。クラスメイトと比べて終わるのが遅ければ出来てないと分かります。先生の話をみんなが楽しそうに笑っているのに、なぜ笑っているのか分からなければ、笑顔は作っていても心の中は悲しみでいっぱいです。日々の生活を通して、嫌でも他の子より「出来ていない」ことは分かってしまいます。

 じゃあ、どうすればいいのか?本来の能力に大差はありません。だから、出来ることを一つ一つ増やしていけばいいだけです。目の前のことを一生懸命やっていれば、出来ることは一つ一つ増えていきます。親が焦って、出来ないことを「出来たこと」にしてあげても、学校にいる我が子を助けてあげることはできません。自分で出来ることが大切です。自分の力で出来ると自信になります。自信がつけば「やってみよう」と思えるようになります。スポーツだって勉強だって同じです。時間がきたから「今日はここまで」と伝えたのに、「もう1問(1回)やりたい」と言い出したら、よいサインかな?