『ローザ』という絵本を読んであげました。3年ほど前に一度読んであげたことがある絵本です。火曜日に、肌の色で差別されることがあるという話をしたら、一人の女の子が『ローザ』のことを思い出して、「また読んでほしい」と言ってくれたので、図書館で借りてきてさっそく読み聞かせをしました。

 絵本とはいっても、1950年代のアメリカの黒人差別について書いてある絵本でちょっと難しい内容です。バスの座席が白人と黒人で座る場所が分かれているということを知っただけで、みんな驚いていました。難しい内容だったにもかかわらず、みんな一生懸命聞いて、悲しそうな顔をしたり、怒ったりしていました。

 「まわりには差別はないよ」と言っている子がいました。確かに、日本人の両親のもとに生まれ、日本人として生活しているだけでは見えないかもしれません。でも、差別はすぐ身近に実際に存在しています。「差別はないように見えて、実はみんなの近くにも実際にあるんだよ。あるハーフの男の子は見た目がちょっと違うだけで、スイミングスクールの更衣室で蹴られたりしたこともあるんだよ。その子は1年生の4月のときは”僕のパパ、外国人なんだよ!”と嬉しそうに言っていたのに、途中からそういうことは言わなくなったんだよ。何度もつらいことがあったんだろうね」ということを話しました。

 子どもたちがどんな風に感じてくれたのかは正確には分かりませんが、遠い国の昔のお話で終わらせないでもらいたいですね。そして、また何年か経ってから「あの本、読んでもらいたい!」と言ってくれるのをゆっくり待っています。

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