我が家では「恥ずかしい」という理由で「やらなくていい」ということにはしてきませんでした。「恥ずかしい」という気持ちは理解できます。が、それが出来ない理由、やらない理由にはならないと考えています。

 たとえば、外食しているときにスプーンなどを落としてしまったとき、我が家では3歳ころから、自分で店員さんに「落としてしまったから新しいのをください」と言わせていました(家でも「水」ではなく、「のど乾いたからお水持ってきてください」と言わせていました)。もちろん、初めてやるときは「恥ずかしい」と言ってやろうとはしません。恥ずかしさもあるでしょうが、何よりも不安のほうが大きいでしょう。なので、初めてのときは、一緒に店員さんのところへ行って、一緒に「落としちゃったから新しいのをください」と言ってあげます。これだけでも、3歳4歳の子がやれば無条件で「偉いわね」と褒められます。

 こうなれば、次回は店員さんのところへ一緒に行ってあげるだけで、自分で言えます。娘も「あー、家でやってることと同じだな、難しくはないな」と子供心に感じたのでしょう。親や保育園の先生、おじいちゃんおばあちゃん以外の全く知らない大人から褒められるのは、とても大きな自信となり、勇気になると思います。それだけでなく相手に伝える喜びを知るきっかけになると思います。そして、ここが大切なのですが、「恥ずかしいから」を言い訳にする回数はかなり少なくなると思います。

 本当に「恥ずかしい」からできないのか、ほかの理由があって出来ないのか、正確に見極めてあげることが大切だと思っています。「やりたくない」とか「自信がない」と伝えるとやらされるけれど、「恥ずかしい」と伝えれば親が仕方がないと諦めてくれると(無意識に)分かっていて「恥ずかしい」を使っている子もいます。

 写真は千葉公園の大賀蓮です。『蜘蛛の糸』に出てくるお釈迦さまもこんな景色を見ていたのでしょうか?