努力をする子としない子。この違いは何なのでしょうか?まず、努力をする子は努力をしない子よりも、努力をしているという意識が少ないように感じられます。勉強だって遊びだってスポーツだって出来ると楽しいからやっているからなのでしょう。特に小学生の間はこの傾向が強いと思います。苦しい努力をしていると思った時点で、小学生にそれ以上の努力はかなりしんどいと思います。特に、一人でやりなさいは無理でしょう。大人にとっても達成感を感じられない状況下で努力するのはかなりつらいはずです。

 でも、努力しているという意識がないにもかかわらず、大人から見ると明らかに頑張っている(努力している)子とそうでない子がいます。この違いはどこから来るのでしょう?私が見る限りにおいて、努力する子は「もうちょっとやれば出来るようになる」という”経験”を積んできた子です。あるいは、頑張った先に結果があるという意識を持っている子です。そして、不思議なことに、あまり高望みをしていません。「出来るようになりたい」という気持ちは強いのですが、「出来なければいけない」という気持ちは弱いのです。なので、いろいろと試行錯誤をしてたくさんの経験を積んでいます。また、初めから100%を望まずに、今の自分が出来る事より少し上のレベルを目指して頑張っているように感じられます。

 一方、努力をしない(しづらい)子は「頑張れば出来る」ではなく、「出来る子は出来る」「出来る事は出来る(出来ない事は出来ない)」と決めているように感じられます。1回やって上手くいけばいいのですが、そうでない場合は1回の失敗で簡単にしり込みをしてしまいます。そして、その「上手くいく」のレベルを高望みをしているのです。はじめから上手くいくことのほうが稀で、失敗するのは当たり前なのですが、“才能”にフォーカスしすぎていると、こういうことが往々にして起こります。

 さて、1年生の4月、小学生になった時点で、「どうせやったって出来ない」と何もしようとしなかった子が、ようやく頑張れるようになってきました。本当にうれしく思います。それこそ、これまでは1回間違えたら、そこでおしまいだったのですが、先日は一つの問題を解くために途中の休憩を挟んで1時間頑張っていました。「もう今日はやめておこう」と伝えたのですが、「おやつを食べた後、まだやりたい」というので頑張らせました。

 「出来る子は出来る」「出来ない事は出来ない」とずっと決めつけてきていたのですが、ここ最近、明らかに出来る事が増えていて、本人が「自分だってやれば出来るんだ」と自分自身を信じられるようになったのが一番大きいです。やってない子に、「やれば出来る」と伝えたってほとんど意味はありません。「やれば出来るんだ」と自分で自分を信じられる小さな小さな成功体験をたくさん積ませてあげることが必要なのでしょう。