普段、生活していると、まだ習っていないことがらがたくさん出てきます。cmやmも小学校2年生にならないと習いません。習いませんが、運動会をやれば50メートル走るでしょうし、プールでは25メートル泳ぎます。自分の身長にはcmという単位を使います。長さの単位と無縁でいることは出来ません。

 時間の単位もあります。学校で時計を習い始める前から、お昼の時間は決まっているはずです。「休み時間は〇分」という会話もあるでしょう。

 知っている事と知らない事にはばらつきがあるのは当たり前です。小学校に入る前は、各保育園や各幼稚園でカリキュラムが違い、家での遊びもバラバラな知識に偏りがあるためです。ちゃんと学んでいないために、知ってはいるけれど理解を誤っていることもあります。だからこそ、小学校に入学した後、身の回りのことを学校の先生が一つ一つお勉強という形をとって整理をしていってくれるのです。

 本当のことを言えば、小数点という難しい事柄だって日常生活の中で普段使いしています。36.1度とか、20.5kgとか、19.0cmというふうに、体温、体重、靴のサイズを言うときに、日常的に使っているはずです。そこをちょっと意識させてあげるだけで、いろんなことが自然と分かってくるはずです。学校の先生が教えてくれるのを待つ必要はありません。意識的に使ってあげればいいのです。子どもは大人が思っているよりも賢いです。が、ドリルなどを使って、勉強させるのもいかがなものかと思います(勉強になった瞬間に、日常と切り離されてしまうからです)。パパママとの会話を通して、少しずつ身につける、あるいは(興味を持ったときに)意識をさせてあげるだけで十分だと思います。最後の仕上げは学校でやってくれますし、教えすぎると学校の授業が退屈になりかねません。

 さて、トゥモローではいろいろなことを教えていますが、鉛筆をもって紙に書くというタイプのことはとても少ないです。特に1年生は少ないです。小学校入学前に、足し算引き算が出来ている必要は一つもありません。でも、数は20くらいまで数えられてほしいです。出来れば、30までは数えられてほしいです。カレンダーにある数字はしっかり把握していてもらいたいからです(友達や家族の中に、必ず20日から31日が誕生日の子がいるはずです)。「25日のクリスマスまであと〇日だね」みたいな会話をカレンダーを見ながらやると数字への理解が深まり親しみがわいてくると思います。

 夏が終わり体を動かしやすくなりましたが、この季節は鬼ごっこも楽しいです。鬼ごっこをやるときに大人が「いいよ」と言ったら走り出すのではなく、子どもたちが元気に1から10までを数えてから追いかけてもらいたいです。ときには、20まで。日常的に数字を使っていくことで、数字への親しみが育まれる環境が整います。