久しぶりにお絵描きレッスンをやりました。お絵描きレッスンとはいっても、実は絵を上手に描くためのレッスンではなく、読んだ詩や文章を絵にするレッスンです。音読をしているときは、普段から常に「イメージをしなさい」と伝えています。それだけだとイメージ出来ている子はいいのですが、そうではない子が困ってしまうので、「今のを絵にすると何色が必要だと思う?」と訊いて、子どもたちに「夕日の赤」だとか「空の青」などと答えてもらっています。少しずつ絵を描く準備をして、11月末にお絵描きレッスンで本当に絵にしてもらいました。

 絵の上手下手ではなく、(詩の)作者がどんな風景を見たのかということを想像し、どこまで丁寧にイメージ出来るのかということが大切です。もちろん、このレッスンに正解の絵はありません。みんな違う絵であっていいのです。それでも、大切なことが欠けていたりするのは良くないと思います。今回、まどみちおさんの『イナゴ』を絵にしてもらったのですが、「イナゴ」「夕焼け空(夕日)」「稲」「僕」が描かれているといいと思います。でも、一人の子は僕の視点から絵を描いてくれていました。「〇〇ちゃんは、これを”僕”の視点から描いてくれたんだよね」というと、「そうそう、そうなの!」みたいな感じでした。欠けているからダメではなく、その理由が大切ですね。

 本や詩を読んで、自由に感想をもって構わないとは思いますが、そもそも作者が意図したイメージからかけ離れていては、感想もちょっと違った方向にいってしまいます。夏休みの感想文で苦しむ子は、そもそもイメージが正確に出来ていないのかなと感じています。小学校低学年で短い文章を読んでいるときから、しっかりイメージをする練習を積んでいきたいですね。文章が長くなってからやろうとするとなかなか大変です。

 イメージをするのに最も適切なのは、絵本をたくさん読んだり、読んでもらったりすることだと信じています。読んでもらって上手く意味が分からなくても、絵を見て理解につなげやすいのです。そういったことができるのは、本ではなくてやはり絵本です。

 子どもたちみんなに絵を描いてもらったのですが、頑張ってイメージをしていたなと感じました。みんなが最後まであきらめずにやり切ってくれたことが何よりうれしかったです。 そして、普段からイメージしようという意識を持つきっかけにしてくれると嬉しいです。