辞書の使い方に関して色々と考え方があって良いと思います。そう思うのですが、今回は辞書の使い方についての私の考え方を書きます。基本的に私は子どもに辞書を使わせることはありません。だからといって、辞書を使わせることに反対している訳ではありません。

 辞書を使わせる場合でも辞書を使うことは、決して簡単ではないということを理解した上でお子さんに辞書を使わせてあげることが肝要だと思います。特に辞書を使い始めたばかりであれば、必ず横に座ってどこまで理解が進んだのか確認したり、一緒に調べてあげることが大切だと思います。

 「もう3年生になったから辞書を使って自分で調べさせています」という方がいます。確かに、学校でも3年生になると辞書の使い方を習います。しかし、分からない言葉を調べて一発で理解できることがあるでしょうか。辞書を調べているとそこからまた分からない言葉が出てくることがほとんどではないかと思います。調べるだけでも大変なのに、一発で分からないと本当に気持ちが萎えます。例えば、中学生で英語を習い始めて、中学3年生から英英辞典で単語を調べる方がどれだけいるのでしょう。いたとしてもかなり稀だと思います。

 小学校低学年の間はまだ語彙が少なく分からない言葉が多いと思いますので、気軽にママパパに聞ける環境を作ってあげることが大切だと思います。ママパパに教えてもらえると、辞書よりも格段に分かりやすいはずです。調べた方が覚えられるというのは、大人の話です。特に、自分が知りたいと思って聞いた単語の定着率は私が見る限りかなり高いです。

 仮に「ホタル」を知らない子(忘れてしまった子)がいれば、「ほら、5月にみんなで見に行ったピカピカ光っていた虫だよ!綺麗だったじゃない」と伝えれば、一発で100%の理解に辿り着けますが、辞書には「腹部に発光器を持ち、暗いところでは青白い光を放つことで知られるが、ほとんど光らない種も多い・・・」と書いてあり、かえってよく分からなくなることもあります。

 ちなみに我が家の長女は中学受験をし、運よく第一志望に合格していますが、辞書を使ったことはほとんどないと思います。特に小学校4年生まではそうでした。辞書で客観的に書いてあることを読み解いて理解するよりも、子供の経験にリンクさせて親が教えてあげた方がよほど正確に理解できるはずです。もちろん、間違えて教えてはいけないので、子どもに言葉を教えるときは分かっていると思っても、必ず私が電子辞書を使って確認した上で教えました。教室で子供たちに言葉を教えるときも可能な限り電子辞書を使っています。

 親が辞書を使っている姿を見せてあげることも大切だと思います。「辞書を使いなさい」と言っても親が使っている姿を子どもがみたことがなければ、説得力がないですからね。私はスマホに大辞泉という辞書のアプリを入れています。2000円ちょっとで使い勝手はかなり良いのでおススメです。