自分よりできる子を妬まない。先日、娘の個人面談で学校へ行ったところ、先生が驚き半分に「自分より上手に出来る子がいても妬まなくて素晴らしいです」と褒めてくれました。その個人面談の中で私が一番うれしかったことが、このことです。

 他人を妬まない素直な子に育ってくれて嬉しい!というわけではありません。

 家の中では、姉妹で「私のが少ない、ずるい!」などとどうでもいいことで毎日喧嘩しています。つまり、与えられるものは、「多い少ない」「あっちのほうがよさそう」などと当たり前のように妬みの感情を持っていて、喧嘩にもなるのです。

では、「あの子の方が上手に出来ている」というのが妬みの対象にならないのはなぜでしょう?

 それは、「初めからできる子なんていない。みんな初めはへたくそで、練習したり工夫していく中で、少しずつ上手になっていくんだよ」と繰り返し教えているからです。自転車だって、縄跳びだって、逆上がりだって何だってそうだよと繰り返しています。国語も算数も同じです。計算も少しずつ速くなっていくのです。なんでも、少しずつ上達していくのです。つまり、才能があるとしたら、それは与えられるものではなく、磨いていくものだという考え方です(一般的には、Growth Mindsetとか、成長思考と言われています)。それがしっかり伝わっていることが分かったから、私は嬉しかったのです。

 自分より上手に出来る子がいたら、「自分よりたくさんやっている」し、「たくさん工夫している」だけです。そして、自分より上手に出来ている子がいたら、その子にコツを教えてもらったり、真似をしたりすればいいだけです。自分よりも上手に出来る子が周りにいたら、それは自分も上達するチャンスが増えるという事なのです。

 だから、友達がすごいことを手放しで喜べるし、妬む必要がないのだと思います。