言葉でも漢字でもバラバラに覚えている子がいます。結果として、語彙は少ないし、漢字も覚えられません。私はそういう子たちを見ても記憶力が悪いとは思いません。が、覚えるのは確かに苦手です。たとえば、「口」と「鳥」を書かせると書けるのに、「鳴」を書かせると、「鳥」が書けていない。「雨」は書けるのに、「雪」を書かせると「雨」が書けない。ほかの子が良い意味で楽をして覚えているのに、ほかの子よりも無意味にたくさん記憶力を消費しています。これでは、自分はほかの子よりも覚えるのが苦手だと感じ、勉強に苦手意識を持つのも無理はありません。こういう状況は避けたいです。

 トゥモローでは漢字のレッスンはやりませんが、なぞなぞ風にして教えてあげることもあります。「曇」という漢字を見せて、子ども達になんていう意味の漢字だと思うかを考えてもらいました(「雲」が「くも」だということは教えます)。「太陽が雲の上にあるから、くもりだね」と種明かしをしてあげると「みんな、あー、そっか!」となります。少しでも漢字に興味を持ってもらえるのではないかと思います。「日」+「青」は太陽と青空で「はれ」ということを教えると、「日」+「赤」は「ゆうやけ」というようななぞなぞを作ってくれる子も出てきます。遊びの感覚を持ってくれると私も嬉しくなります。

 英語のレッスンの中でも、upstairsが「上の階」だと教えた後、「じゃあ、下の階ってなんていうと思う?」と訊いて考えさせると、upstairsさえしっかり覚えておけば、downstairsを忘れる子はいません。昨日も久しぶりに、「下の階ってなんていうんだっけ?」と訊いたら、みんな挙手してくれました。

 きっと学校の先生も漢字を教えるときに「鳥が口で鳴くから、口偏に鳥なんだよ」などと説明してくれていると思います。少なくとも、私はそういう説明を子どものころ聞きました。まずはしっかりと先生の話を聞くことが大切ですし、先生の話を聞いて理解できるだけのリスニング能力が必要になってきます。