分かっている(出来る)ことと分かってない(出来ない)こと。分かっているつもりでも、この2つを丁寧に分けるのは難しいですね。毎年、この時期の2年生に英語を教えているときに強く感じます。

 「何が分からないの?」と訊いても何が分からないのかが分からない。そこで、一つ一つ分かっていることと分かってないことを仕分けしていきます。そして、分からないことだけを教えてあげる。これを繰り返していくと、少しずつ「自分が分かってないこと」を本人が正確に認識していきます。すると、不思議なことに、分からないはずだったフレーズが自力で「分かった!」となる事が出てきます。

 こうなると、だんだん自信をつけてきて、分からないから「考えない」ではなく、どこまで分かっているのかを「考える」ようになります。ここまで考えて分からないことが、本当に教えてあげるべきことだと思っています。

 学校の宿題でも似たようなことがあります。算数の文章題を間違えた子に丁寧に教えてあげる方法もあります。しかし計算ができない子は少ないのです。何が出来ていないのかと言えば、たいてい「丁寧に読むこと」が出来ていないのです。なので、「声に出して読んでごらん」と伝えると自分で解決します。自分で出来るのです。

 教えなくてもいいことを教えていると、人に頼ることを覚えていくように感じます。自分で出来ることは自分でやらせてあげる。慣れるまでは大変ですが、自分が出来ることを自分でやる子は成長がとても早い傾向があります。そもそも本当に出来ないことは自分が考えているよりも少ないんだと分かるだけで、自信が出てきます。

 勉強に限らず、お手伝いなど普段の生活も同じです。自分で出来ることを一つ一つ増やしてあげる。それが子どもの自立につながるのだと思います。