1年生の11月の時期に、「光」という漢字の意味を教えてあげると、すぐに「日光」という漢字が読めた子がいました。これはとても素晴らしいことです。

 漢字への苦手意識をなくすために大切なことは、漢字を身近に感じさせてあげることと、十分な語彙を身につけさせることです。常々言っているのですが、漢字は(学校で習うまで)書けなくてもかまいません。ただし、(習う前から)ある程度読めてほしいです。そのためには、目に入るところに漢字がなくてはいけません。リビングに本があることが必要です。そして、親が本を読んでいる姿を見せてあげることにより、子どもはより強く文字への興味を抱きます。町を歩いていれば、いくらでも文字は落ちています。文字に興味さえ持ってくれれば、歩きながら自然と漢字を学んでいけるのです。もちろん、未就学児であれば、ひらがなとカタカナを学ばます。

 語彙が不十分な状態で、無理やり漢字の学習を始めてしまうと、意味を意識せず覚えるだけで終わってしまう傾向が強いです。そうすると、「光」という漢字の意味を教えてあげても、「日光」を自然に読めるということはなかなかありません。

 「日光」が自然に読めるためには、そもそも「にっこう」という語彙が身についていなければなりません。漢字を見て、「日+光だから“にっこう”と読むに違いない」と思考することが大切です。語彙があって考えることを楽しめれば、漢字はほとんどなぞなぞです。そうでないと、漢字は覚えるだけの苦行になりかねません。

 昔と今では住環境がかなり変わっています。自分たちが自然にできたから、我が子も自然にできるだろうと考えるのは危険なこともあります。昔に比べて、家庭内で子どもが目に触れる文字数は減っています。昔は新聞がありました。新聞を読んでいる父親の姿もありました。今は、携帯を眺めている姿があるだけです。子どもの目に文字が飛び込んでいくことも稀なのです。

 さて、写真は篠崎ポニーランドのコスモスです。江戸川区は意外と自然豊かです。せっかくですから楽しみたいですね。河川敷に行けば体もたくさん動かせます!