川辺で遊んでいる絵を見せて、どんな危険があるのかを想像して発表してもらいました。川は急に深くなっているところがあるから溺れてしまうとか、岩から滑り落ちてけがをしてしまうかもしれないとか、突然の大雨で川が増水してしまうかもしれないなどなどの発表がありました。

 川の絵を見て、どんな危険があるのかというのを考えたのは、川に行くときのためではありません。それではただの抽象的な勉強になってしまいます。危険はどこにでも潜んでいます。

 川で遊んでいる絵と普段みんなで遊んでいる公園は一見違います。が、そこで終わりにせずに、自分事化することが大切です。「いま見ている絵の中にある危険と似た危険がフレンド公園にもあると思うんだけれど、分かるかな?」と確認すると何人かの子が挙手して発表してくれました。「岩ではないけれど、高いところから誰かが急に飛び降りてきてぶつかってけがをするかもしれない」などの発表がありました。

 教室で勉強して終わりではなく、「じゃあ、家の近くの公園だったらどうだろう?」などと具体化して考えて初めて本当の学びになります。考える力もつきます。勉強のために勉強をしているのではなく、普段の生活の中で使うために学んでいるのです。これはどんな勉強にもいえることです。

 5月は小学生の交通事故が多い季節です。「危ないから、手をつなごう」と一方的にリスクを取り払うのではなく、子どもの目線までしゃがんで一緒に危険を見つけて、子どもの危険察知能力を高めていきたいですね。