先週何人かの子を図書館に連れて行ってあげる機会がありました。半分は図書館へ行けることをものすごく楽しみにしており、残りの子たちは若干憂鬱そうでした・・・。

 その中の1人の子はもうちょっと頑張れば本を読める子だと思っていました。でも、逃げ足が速い子なのでちゃんと向き合ってくれるまで時間がかかってしまって、逃げ切られてしまうのではないかと心配していました。

 図書館に到着して私が絵本を選んであげました。「感想は聞かせてもらうからね」と伝えて渡しました。3分と経たずに読み終えてしまい、やはりシンプルな感想しかでてきませんでした。「ごめん、そう思ったのはなんで?」と訊くとその先がでてきません。「じゃあ、もう一回読んできていいよ」と普通に伝えました。また3分ほどで読み終えました。読書に慣れてないのに、読み終わるのが早い・・・。今度の感想は1回目よりはちょっと詳しかったけれど、本当にちょっとだけでした。それで、「もう一度読んでいいからもうちょっと詳しく教えて」とお願いをしました。

 すると、今度はなかなか戻ってきません・・・。「あれ?逃げてしまったかな?」と思ったのですが、10分ほど経ってから明るい顔、かつ大きな声で説明に来ました。図書館の中で聞くには大きすぎる声だったので、ちょっと外に行きました。内容が分かってしまったようです。分かると楽しいのです!まだ心配だったので、もう2冊私が絵本を選んであげました。ちょっとあいまいなことを言っているときは、「もう一度確認してきて」と読み直してもらいましたが、1冊目のときと比べると別人のように内容を理解していました。

 その後は、本にもチャレンジしてもらいました。夢中になって本を読み漁っていました。読み終えることを目的とした読書ではつまらないのです。人に説明するとなるとちゃんと読まなければなりません。そのプロセスが理解につながったのだと思います。

 目の前で覚醒する様子を見ていた子も刺激を受けてくれました。自分も読めるようになるかもしれないという希望を持ってくれました。この子もなんとか本を読めるようにしてあげたいです。こんなに簡単にいくことは稀ですが、理解できれば何だって楽しいのです。逆に、ルールが理解できていないままでは、遊びだって楽しくありません。