夏休みがスタートし、時間的に余裕が出来て、ゆっくりと見てあげることができます。見てあげることができるというよりは、ゆっくりと気長に待ってあげる時間ができてうれしいです。

 学校で習って答えを出せるようにはなっていても、理解していないということはどの子にもよくあることです。文章題をやらせると「答えは分かるけれど、式が分からない」と言っている子がいました。ちょっと様子を見てから、いつも通りキューブを使って考えてもらいました。1問目は意外とすんなりできました。でも、2問目に進むと理解がまだ浅いので混乱してしまいました。それで、「もう1回、1問目をやってごらん」と伝えると、今度は本当にわかった様子で、2問目もしっかりとこなすことができました。完全に「分かった!」という状態になったようで、「もっとやりたい!」と言い出しました。もちろん、3問目はサクッとこなせていました。

 大抵のことは、自分のペースでじっくり考えれば理解することができます。どんなに教えてあげても分からない場合でも、本人が手を動かして試行錯誤すれば、具体的なことを扱っている小学校低学年の間であれば、なんとかなります。

 でも、もっと大切なことは、「学校で習っていないからやらなくていい」とか「うちの子にはまだ早い」ではなく、普段の生活の中で当たり前のように、四則計算の概念に触れさせておいてあげることだと思います。

 1年生にだって、割り算の概念に触れさせてあげることは出来ます。たとえば、いちごを食べるときに、何個ずつ分けるかを考えさせてあげるといいでしょう。具体的に分けるというのも重要なポイントですが、誰かが多いと「ズルい!」という感情が生まれます。机上の勉強にばかり頼っていてはこういう感情が生まれません。無感情で勉強をしていてもつまらなくて仕方がありません。単にドリルをやらせるよりもたくさんの気づきを得られるはずです。