「〇〇(名前)はやればできる」というフレーズを使ってしまうかもしれません。子どもが一生懸命やらなかったり、期待よりもできないときに、使いがちだと思います。このフレーズを使うことはあまりお勧めしません。言っていることは正しいのですが、それで一生懸命やるかといえば別だからです。大抵の場合、さらにやらなくなります。

 このフレーズを言われて、もっと頑張るお子さんであればあまり問題はないと思いますが、やらない子にこの言葉を何度かけてもあまり意味がないのです。まして頑張っているのに「やればできる」と言われてしまうと、なかなか頑張れなくなります。また、「やればできる」と伝えることで、できること(完璧さ)を求めているということも伝わってしまいます。こうなると、「できなければならない」「失敗できない」と強く思ってしまう子が多いように感じます。

 「できなければならない」とハードルを上げてしまうと、チャレンジがしづらくなります。これは大人も子供も同じだと思います。

 さらに、困るのは「やればできる」という親の言葉だけが頭に残り、やらないのに「やればできるんだ」とか「いまのは本気じゃない」とプライドだけが高くなる子もいることです。

 大切なのは、一生懸命やる姿勢を褒めてあげることです。出来たか出来なかったか(親の期待)はあまり関係ありません。もうちょっと頑張ってもらいたいから、「やればできる」とポジティブに伝えているつもりでも、子どもには正反対に聞こえている可能性があります。

 「やればできる!」と伝えるときは、伝える側が最後(文字通り出来る)まで付き合う覚悟を持って使いましょう。そして、本当にやれば出来るところまで、ハードルを下げてあげましょう。「やればできる!」というだけで、「あとは一人で頑張ってね」という姿勢であれば無責任です。きっと子供は「やればできる」という言葉を信じて何度か立ち上がっても、やっぱり無理だったと諦めてしまいます。そして、また「〇〇はやれば出来る」と言われてしまうのです。

 子どもは親に見守られているだけで、自然とあと少し頑張れるはずです。我が子の頑張る姿を見守りましょう!そして、具体的に「〇〇のところ、頑張っていたね」と声をかけてあげれば、「ちゃんと見てくれているんだ!」と次も勝手に頑張るはずです。 実際に頑張れたことを「頑張ったね」と褒めてあげることが大切です。