プールへ行ってきました。スイミングを習い始めたばかりなので、ビート板を使っても2メートルも前に進まない子がいるのですが、ちょっと頑張ってもらいました。もちろん、バタ足は膝を曲げないことが大切なのはわかっているのですが、それ以前に2秒もたたずにすぐに足をついてしまうので、毎回毎回「やっぱり前に進まない」で終わっていました。これでは「やっぱりできない」というネガティブな経験しか積めません。

 そこで、足をプールの底につかないように指示をしました。それでも、しばらくの間はすぐに諦めて足をついてしまいます。数年前にも同じような子がいたので、想定の範囲内です。大切なのは2秒であきらめないことです。前に進む前に諦めてしまうから、心が折れ続けるのです。しつこくしつこく相手をして、15分ほどで10メートルちょっと前に進むようになりました。本人も日記に書いていましたが、最初はつらかったようです。でも、10メートルちょっと泳いだ後、後ろを振り返ってプールサイドからこんなに離れたところまで泳げたことが分かって、本当に嬉しかったようです。

 「やれば出来ることをまた先生は教えてくれました」と日記に書いてくれていて、私も嬉しくなりました。でも、そろそろ、私がいなくても「出来るんだ」ということに気づいてもらいたいです。「あきらめずにがんばりぬくことがわたしにはぜったいできる」ということも書いていたので、2学期以降に期待です。

 振り返ってみると、この子は夏休みのたびに成長をしています。1年生で入ってきたときはやる前に諦めていました。私がやってきたことは、ちょっと頑張れば出来る目標を設定して、ちょっと頑張ってもらっただけです。ちょっと頑張れば出来ることは、本当は私がいなくても出来るはずです。「やればできる」と伝えることは簡単ですが、心がそのことを分かるまで付き合ってあげるしかないのかもしれないです。

 大人になると、やってもできないことがどんどん増えていきます。本当に強い心がなければ、何年も頑張ることはできません。でも、小学校低学年の間はたいていのことは1週間も頑張れば出来るようになることばかりです。「頑張ったら出来ちゃった!やったー!」という経験は圧倒的に今(低学年)積み重ねやすいはずです。「やれば必ずできる」とは言いませんが、やらなければ決してできません。来年になったら頑張ろうではなく、“いま”頑張りましょう!出来る出来ないではなく、出来ても出来なくても、“いま”思いっきりやる!それが大切です。今年の夏をもう1回経験することはできません。