ケアレスミスはない方が良いですが、人間なのでゼロにすることは不可能です。だから、子どもたちが学校の宿題をやっていて、間違えたとしても特に伝えることはありません。ただ「間違えている問題があるから探して直してきてね」の一言です。学校の宿題は理解しているかどうかが一番大切なので、ケアレスミスであればなんの問題もないと考えています。ただし、ほとんどの問題で正答していても、理解不足による間違いである場合があります。理解不足による間違いなのか、単なるケアレスミスなのか、その見極めが大切です。

 そんなとき、「間違えている問題があるから探してきてね」と伝えると、理解度が見えてきます。正確に理解している子は多少時間がかかっても自分の間違いを見つけて直してきます。でも、理解が不足している場合、間違いを見つけられません。正答している問題を直して間違いを増やしてしまうこともあります。もちろん、誰もが正しいと思ってやっているので、間違いを探すのは難しいです。だから、間違いを探すときは、答えを自分の手などで隠して確認してごらんと伝えています。改めて出した答えと自分が書いた答えが違えば、どちらかが間違っているわけです。そうやって、自分の間違いを自分で見つける力をつけてやることはとても大切だと思っています。だからこそ、自分の間違いを自力で見つけることが出来たときは、ちゃんと褒めています。「間違いに気づけるのはとても偉い!」と。

 ちなみに、「この問題を間違えているよ」と指摘してあげる手もありますが、これをやると自分で自分の間違いに気づく習慣が身に付きませんし、「アかイのどっちかなんだよなあ」というふうに理解が曖昧な場合、何も考えずに「アが間違いだったから、イ」と直してしまい、理解不足に気づいてやることが出来ません。

 もちろん、宿題が多いときに、その中から1つの間違いを探すのはあまりにも大変なので、右側のページで一つ間違えているよ、と伝えることもあります。本当に分かっているのかどうか、確認してあげることが大切です。

 宿題の役割は理解度の確認だと認識しています。だから、理解しているけれど間違えてしまうのは構わないのです。しかし、仮に全問正解であってもよく分かっていなければ、後々問題が出てくるリスクがあるということです。だから、間違えてくれるのは私としてはとてもありがたいことなのです。