語彙が増えるとよいことはたくさんあります。まず、語彙が増えれば漢字が得意になります。本当か嘘か。100%正しいとは言いませんが、語彙が増えると漢字に対する苦手意識が和らぐ子は多いです。小学校低学年の子どもたちにとって、一番大変な勉強は漢字だと思います。その漢字に対する苦手意識を払拭できるのです。
私が見る限り、漢字が苦手な子たちは、宿題だからと鉛筆を動かしているだけで、言葉の意味も漢字の意味も意識していません。小学1年生にとって、ひらがなカタカナには意味がなかったのに、急に一つの文字に意味が入ってくるというのは大きなパラダイムシフトです。語彙が十分に備わっている子たちにとっては、意味があるということは当たり前に分かるのですが、語彙が乏しい子たちにとっては、覚えなければならない字が増えただけです。
意味を意識しなさいと言われても、書いている漢字や熟語の意味が分からなければ、その意味を理解し、覚えるための負荷が追加でかかるだけです。なので、無心に書いて宿題を終わらせることが目的になります。ある意味でとても賢く合理的です。
学校の漢字の宿題で書いている言葉の中に意味を説明できない言葉が毎日1つあれば、語彙が少ないことを心配すべきだと思います。親がやるべきことは確認です。「〇〇って知ってる?」とちょっと確認してあげるだけです。ちゃんと説明できたら、「知っているだけじゃなくて、上手に説明できたね」と伝えてあげればいいのです。相手に伝える練習にもなります。そして、知らなかったら、(心の中で)確認してあげてよかったと思えばいいのです。
私は語彙を増やすためのレッスンも行っていますが、半年もすると語彙は驚くほど増えます。そして、今まで全く理解できなかった話がわかるようになり、発言が増えます。それまで何度も同じことをやって注意されていたのが、1回で理解してくれるようになります。褒められる回数も増えます。何よりも自信がつきます。
それはそうですよね。お話を読み聞かせしてもらったりしているとき、周りの子たちは楽しそうにしているのに自分だけ分からない状況では自信を持てるはずがありません。語彙が増えることにより、みんなが楽しそうな時に、自分もみんなと一緒に楽しめるのです。自信になるのは間違いありません。いや、それ以上に日常生活が楽しくなるはずです。



