知っているか、知らないかの二元的な世界観で生きていると、「分からない」と言うことが難しくなるように感じています。知識の有無だけで評価されるように感じ、「知らない=劣っている」という気持ちを抱きやすくなるのかもしれません。それだけでなく、「知っている」と「分かっている」がほとんど同じ概念になっているがために、「分からない」と感じにくくなっている面もあるのではないかと思っています。
確かに、知らない状態から、知っている状態へは簡単に移行できます。しかし、理解していない状態から、理解している状態へは簡単ではないのです。程度の差こそあれ、苦労した末に「分かる」に到達するのです。だから、「知っている」と「分かっている」の違いを認識している子は「分からない」と言ってきたり、「これもそうなの?」などと口にするのだと思います。まるで「分かるって難しいことだよね」と分かっているかのようです。
さて、「分かる」とか「理解している」というのは、自転車に例えると、「(一人で)乗れる」ということに近いのではないかと思います。車輪が二つしかない乗り物を乗りこなせることを知っていても、乗れるわけではないのです。乗れるようになるためには、時間をかけて練習を重ねる必要があるのです。
同様に「知っている」と「分かっている(理解している)」も違うのです。子どもが「〇〇ってどういう意味?」と訊いてきたときに、お父さんお母さんが、どう説明するかが、とても大切です。「いいから覚えなさい」という教え方をされている子どもは「知っている」と「分かっている」の違いをなかなか実感できません。大人が説明してくれているのを黙って聞いて(意味が分からなくても)覚えることを「分かる」ことだと勘違いしてしまうこともあります。本人は分かってるつもりなのです。
数年前、昼と夜の違いが分からない子がいました。その子は昼と夜という言葉を知っていました。でも、分かっていませんでした。太陽が見えるときのことを昼、その逆が夜だと教えられていたのです。間違った教え方だとは私も思いません。初めの一歩としては、その説明でも構いません。ただ、親子で会話を十分交わしていたら、理解が深まったのではないかと思います。太陽が雲に隠れるのを見て、「昼から夜に変わったね」と言っているのを聞く機会があれば修正できたはずです。
親がちゃんと教えたつもりでも、子どもには不十分なことはよくあります。逆に、1回で完璧に教えようとしなくてもいいのです。話したり、聞いたり、実際に一緒に体験したりする中で、子どもがまだ分かってないことに気づいてあげる。少しずつ理解を深めてあげる。そういう姿勢が大切だと思っています。そして、そういう姿勢でいてあげることにより、子どもも自分で気づくという経験を出来るのでしょう。そうした様々な経験を通して「知っている」と「分かっている」は違うのだと学んでいくのだと思います。
「知っている」「分かっている」「知らない」「分からない」をしっかり仕分けしてあげましょう。
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