毎週月曜日は生活発表をやっています。自分の言葉が相手に伝わり、伝えたいことがちゃんと伝わるのは何よりも嬉しいことですね。この喜びを知ってもらい、さらに話すことに自信を持ってもらいたいと思って去年の今頃から始めました。土日の出来事の発表なので、ポジティブな内容が多くなりやすく、準備もしやすいのが月曜日にやる理由です。すでに友達ではありますが、普段の生活では見えない一端が見えるので、お互いの理解がより進むという面もあります。

 練習をしてくれば誰でもそれなりの発表ができるのも良い点です。どう表現したらより正確に伝わるのだろうと考えるのことも言葉に対する意識レベルを引き上げるのに役立っています。子供が苦労しているときに「こういう表現の方が伝わりやすいんじゃない?」などのアドバイスを与えることにより、表現の幅が間違いなく広がっていきます。一緒に練習していれば、我が子の表現力の成長も実感できるはずです。

 我が家ではお風呂に入っているときに練習をしています。土日にやったことの中から何について話をするのかを決めさせ、実際に話をしてもらっています。そして、分かりにく表現があると「そこは〇〇って言ってみたら?」などといくつか指摘してあげます。時には、どうやって伝えればいいのか分からず、親子で唸ってしまうこともあります。大人だって相手に少しでも正確に伝えるためにはどうすればいいのか悩むということを知るのも大切だと思っています。

 伝えたいことがあっても上手く伝えられないのは本当に寂しく悔しいことです。私は小1の7月まで当時の西ドイツで暮らしていたので、帰国後、かなり苦労しました。ドイツ語で上手く伝えられないのなら仕方がないのですが、母国語で伝えられないのはなかなか厳しいです。だから、上手く伝えられない事の悔しさは分かっているつもりです。でも、最終的には話術ではなく、こんなに楽しいことがあったから、「誰かに伝えたい」という気持ちが何より大切だと思います。だからこそ、伝えたい何かがあるような週末を過ごさせてあげたいと思っています。

 1年前はこの生活発表が苦手で嫌で嫌で仕方なかった子も「やりたい!」と言って前向きに取り組んでくれるようになりました。とても嬉しく思っています。発表が上手とはまだ言えませんが、いろんな場面で挙手して発表することが増えてきました。過去の自分と比べて成長を実感しているのでしょう。学校でも友達と会話が増えてきているようです。歩みが速いときもあれば、歩みが遅いときもあるでしょう。それでも、前進することを諦めずに頑張ってもらいたいです。