少し前に、スキップジャンプというおもちゃを導入しました。誰もやったことがない状態で、子どもたちが試行錯誤しながらやっていました。ほかの子が少しできたのを見て、ライバル心を燃やしたり、何がうまくいったのかを確認したりしつつ、一人でき、二人でき、という風にできるようになる子の数が増えてきました。

 でも、「無理・・・」と諦めた子もいました。私も最初はコツが分からなかったので、子どもたち一人一人の成長を見守る形をとりました。見当違いなことを言って、「言われたとおりにやったのに、やっぱりできない」と頑なになってしまうと困るからです。とはいえ、もう十分頑なになっていて、その遊びをするときは必ず違うことをやるようになっていました・・・。新1年生が先に出来るようになってしまうともっと頑なになってしまうのと、難しそうに見えるけれど、みんなが出来るようになっている様子を見て、やらせれば間違いなくできるという確信を持ったので、かなり強引にやらせました。たぶん、本人も絶対にやりたくないわけではなく、「楽しそうだな、いっしょにやりたいな」という気持ちがあったのでしょう。「1年生がいないうちに、練習しよう!」と伝え、すでにできるようになっている子たちからコツを教えてもらって頑張りました。もちろん、1回でできるようにはなりません。でも、少しずつ回り始めたので、「惜しい!」などという友達からの掛け声も増えてきて、本人も少しずつその気になってくれました。

 ここまで来るともう私の出る幕はありません。あとは本人ができるようになるまで、一生懸命取り組んでいました。そして、あっという間に出来るようになり、右足だけでなく左足でも出来るようになりました。できるようになると、さっそく一年生に優しく教えてあげていました。

 「絶対に無理」と思ったことができると本当に大きな自信になります。自信というよりは頑張る勇気が出てきますね。無理と初めから諦めるのではなく、「あのときみたいにできるかも」とチャレンジできる割合が増えてほしいと思います。

 「できないと思っていたことでも、頑張ればできるんだ!」という経験は小学校のうちにしっかり積んでもらいたいなあと思います。できるようになるまでは多少困難があっても、できるようになった後(一山乗り越えた後)、楽しいと感じる何かをできるようにしてあげてほしいなと思います。昔は、コマ回しにしろ、竹馬にしろ、最初は大変だけど、それを乗り越えた後はもっと楽しめる遊びが多かった気がするのは気のせいでしょうか。

できる事に喜びを感じるのではなく、少しずつ上達していくことに喜びを感じてもらいたいです。