論語で「学べば則ち固ならず」というのを最近やりました。勉強をすることにより、自分の考えに固執することを避けられる。要するに、「学ぶと頭が固くなくなり、柔らかくなる」ということです。

 学ぶとか勉強するというと堅苦しくなりますが、そんなに難しいことではなく、話をしっかり聞くことだけでも「固にならない」のではないかと思います。特に文字を十分には使いこなせない小学校低学年の子どもにとって、一番の学びは学校の先生やパパママの話をしっかり聞くことです。“だから”とか“つまり”というキーワードが出てきたら、いつも以上に集中して聞く。分かっていると思っていることでも、一度はしっかり聞いておく。それが大切です。そこに、新しい考え方(物の見方)があるからです。

 特に抽象的で見えない事柄や「なんのため?」といったことは、みんな自分なりの意見を持っているとは思います。でも、目に見えないがために、自分の考えに固執しがちです。だからこそ、一度自分の考えをリセットしてニュートラルな状態で話を聞いてみることが大切です。そうすることにより、視野が広がり、より深く考えられるようになっていくのだと思います。

 たとえば、「何のために勉強するのか?」ということも、「頭が良くなるため」とか「面白いから」とか「やらなければならないから」とか、様々な理由があります。どれも間違ってはいません。

 しかし、何かを読んであげているときなどに「『勉強は・・・・・・のためにするのです』。はい、じゃあ、勉強は何のためにするの?」と言われた場合には「・・・・・・のため」という答えを言えるくらいしっかり話を聞いていてもらいたいと思います。一週間後も覚えていてほしいとは思いません。でも、話を聞いているその瞬間だけでも、「へー、そんな考え方(見方)もあるんだ」と思ってもらいたいです。こういう事の積み重ねが、深く考える土台になるのではないでしょうか。

友達の話を聞くときも、このような受け入れる姿勢がある子は、ほかの子との関係づくりが上手な気がします。