今年もカルコロをスタートしました。カルコロとは、6枚のカードに書かれた数字を足し算と引き算を使って、お題の数字を作る計算ゲームです。勉強ではなく、遊びを通して計算を教えてあげられるので重宝しています。

 毎年、始めたばかりの頃はよく分からなくて苦労している子がいます。その理由は、引き算にあるようです。引き算を「引く」という捉え方をするのはほとんどの子ができるのですが、「差」であることに気づいている子はあまり多くありません。なので、この時期の1年生にとっては「9-6」は出来ても、「19-16」は圧倒的に難しいのです。でも、差を意識させてあげると「9-6」も「19-16」も変わらなくなります。

 でも、遊んでいるうちに少しずつ理解していく子が出てきます。理解をし始めた子が出たタイミングで、ゲームをいったん停止して、小さなキューブと大きなキューブを使って、どういう事なのかを説明します。

 小さなキューブが10個で大きなキューブ1つ分だという前提を伝え、キューブを並べて19と16を作ってから説明開始です。大きなキューブを1つずつ取り除き、19と16だったものを9と6に変えます。次は、その状態から小さなキューブを1つずつ取り除きます。そうすると8と5になります。実はこれ年齢と同じなんですね。9歳と6歳の子は、いつまで経っても3歳差です。5年前は4歳と1歳です。70年後は79歳と76歳です。1年生の子たちも引き算(差)を年齢に置き換えてあげると一気に理解が深まります。

 1回の説明でどこまで理解してくれたかは分かりませんが、この説明をした後、急にカルコロが楽しくなってくれた子がいてくれて嬉しかったです。カルコロの秀逸なところは、数字だけでなく、カードの左下に点で数を表してくれているところです。写真の2枚のカード(17と13)の差が分からなかったら、両方の10の塊を隠して、7と3で比較すれば簡単に何個差なのかが分かります。

 大人には簡単ですが、この時期の1年生にとってはなかなか難しい内容です。計算は出来ていても、数の概念があやふやだと今は大丈夫でものちのち苦労してしまいます。計算の前に(あるいは計算と平行して)、しっかりと数の概念を固めてあげたいですね。

 ちなみに、「5の隣の数は?」と確認するとすぐに答えられる子でも、「25の隣の数は?」と訊くと答えに窮する子がいます。カレンダーなどを使って、数字を身近なものにしておきたいです。