「次は頑張る」と言う子がよくいます。でも、行動を見ていると頑張っているようには見えないことがあります。頑張ることは良いことだと思います。「頑張ろう」と思う気持ちも大切です。でも、「頑張る」と言っているだけでは何も変わりません。

 大切なのは行動です。「頑張る」と言っていれば出来るようになるのであれば、毎日お経のように唱えればいいのです。「よーし、出来るようになるために、“頑張る!”を100回言ってみよう。そうしたら、書けなかった漢字が書けるようになるかもよ」と私が言ったら、子どもたちも「そんなはずないじゃん」と笑うはずです。でも、「頑張る」と言って終わってしまう子が多いのです。

 残念ですが、「頑張る」という気持ちだけでは何も変わりません。運動会が終わった後、「今回は3位だったから次は1位になれるように頑張りたい」と日記に書いていた子がいました。とても良いことです。でも、「そっか、次は頑張れよ。で、何をどう頑張るの?」と確認すると詰まってしまいました。もしも、今回は手を抜いて3位だったから次は最初から一生懸命やるというのであれば、気持ちだけで何とかなるかもしれません。でも、間違いなく、今回も一生懸命やっていたはずです。一生懸命やったからこそ、悔しいという気持ちが生まれ、「頑張りたい」と思ったのでしょう。こんなときに、親子でもう一歩踏み込んでみてはいかがでしょうか?チャンスです!

 我が家の長女はスイミングが苦手でした。進級テストで合格するのは稀でした・・・。でも、ライバルが出来て「頑張りたい」と言い出しました。それから親の運動不足解消も兼ねて、週末は温水プールに行くことになりました。そして、娘が進級テストに落ちることはなくなったのです。本人から頑張りたいと言ってくることは稀です。稀だからこそ、そのチャンスを逃がしたくはないですね。

 親子で何をするかを考えて、頑張りたいという気持ちを行動に換えてやりさえすれば、結果につながることが間違いなく増えます。小さな結果につながる経験を重ねれば、「頑張りたい子」から、「頑張れる子」に変わります。子どもたちは「頑張りたい」という気持ちは持っていても、行動への変換の仕方を知りません。親子で小さな目標を作って、小さな努力を重ねていけると、頑張ること(インプット)に対する喜びが生まれると思います。そして、インプットの仕方や量によってアウトプットが変わるということを学ばせてやる良いチャンスになると思います。

 自分が頑張ったから出来るようになった(自分の行動の結果、何かを変えられた)という経験はとても大切です。勉強じゃなくてもいいのです。自分で「何かを変えられる」ということを学ぶことが大切です。