捻挫をしていて病院に行かねばならないけれど、子供がもっと遊びたいと駄々をこねる。そんなとき、無理やり連れて行っても、子どもの中に納得感がなく、モヤモヤとしたものがたまり、ちょっとしたことで親子喧嘩などにつながります。

 そんなとき、しっかりと本人に判断してもらうことが大切です。でも、「行きたい」か「行きたくない(=遊びたい)」かで判断をさせてはいけません。「遊びたい」に決まっているからです。

 こんなときは、視野を広げてあげる必要があります。「ちゃんと治ってないのに今日遊んで怪我を悪化させて、また明日から一週間、病院通いになったらどうする?遊べなくなるけれど・・・、それでも病院に行かない?」こんな風に確認してあげれば、正確な判断が子供もしやすいはずです。

 でも、こんな時だけ、本人に判断させるのはよろしくないと思っています。普段から正確な情報を与えて、本人に判断させてあげることが大切です。もちろん、親の思い通りにならない(親にとっては間違った判断をする)こともあります。どんな格好で出掛けるか上手く判断できず、薄着で出掛けてしまい寒いを思いをするなど、ですね。本人が多少痛い目を見ることもあると思います。でも、そうした失敗経験を経て、少しずつ適切な判断ができるようになるのではないでしょうか。

 そして、大切なのは「パパママの言うとおりにしておけばよかった」と思わせることではなく、「どうすればよかったかな?」と確認して一緒に考える姿勢をみせてあげることです。

 結果的に多少痛い目を見たとしても、自己効力感は高まるはずです。「パパママは信頼してくれている」と自信を持つこともあるでしょう。失敗させないためにすべて親が判断をしてやり「判断下手」にするか、多少の失敗は受け入れてやり「判断上手」にしてやるか、これは親がするべき大切な判断ですね。

 生きている限り判断をし続けなければならないのです。小さな判断をたくさんさせてやり、上手に判断できる大人に育てたいと私は思います。